韓流四天王と呼ばれた男たちを語る

インサイダーズ 内部者たちについて

日本人からは見えにくいイ・ビョンホンの人気

韓国国内から登場して人気を博した俳優は何人といます、それこそ韓流四天王と日本人が勝手に敬称をつけて偶像化している4人もそうだ。ですがそうした中でも、特別イ・ビョンホンについては例外といっていいでしょう。日本人から見れば彼の魅力はこんなところと、そう判断することは容易だ。だが、ではどうしてそこまで絶大な人気を獲得しているのかという理由を紐解くとしたら、答えられない人は意外と多いのではないでしょうか。

韓国の芸能界についてよく知り尽くしている、というような人は恐らくいないと思います。日本の芸能界でもそうですが、基本的には人は自分の興味関心を抱いている対象にしか知識や情報を集めないものだ。イ・ビョンホンについても好きだから徹底的に調べる、というスタンスをとっている人は少なく無いでしょう。ただ彼に関して言えば、女性ファンという目線だけでなく、単純に俳優として、役者としてこれほど素晴らしい人はいないとまで称されるだけの実力を持っているからこそ、注目度も高い。

今ではイ・ビョンホンと言われても即答で好きだと答えられる人が何人いることか。韓流ブームなるものが終焉してから久しく、熱心にずっと追い続けている人でもない限りはイ・ビョンホンが今何をしているかなど知らない人もいるでしょう。なにせデビューしてから既に20年以上経過しているのに、未だその人気が衰える気配がないのだ。

それを象徴するのが、昨年2015年に公開された『インサイダーズ 内部者たち』という作品だ。

インサイダーズ 内部者たちの概要

2015年に公開された同作品は、なんと歴代の韓国映画史において観客動員数が最高記録を叩きだしたとまで言われる超ヒット作。日本では馴染みがないというよりは公開されてからも話題を集めませんでした。日本では2016年3月11日と、東日本大震災が起こった日と同じという色々とよろしくないときだったので全くと言っていいほど情報は出ませんでした。見る見ないに関係なく、それなりにアンテナを立てている筆者にしても、この作品の存在は知らなかったことを思えば公開日を一週遅らせた方が良かったのではないか、などと考えてしまいます。

日本国内で話題は集まらなくても、元は韓国の映画ですから自国内で話題を集めなくてはなりません。歴代最高の観客動員数を記録した同作、一体何がそんなに面白かったのでしょう。まずは映画のあらすじから見てみよう。

あらすじ

自分たちの思い通りに出来る世の中を手に入れるために暗躍する財閥、そしてそんな財閥が有する権力と資金を後ろ盾にして活躍する政治家。これらの癒着を取り締まり、裏世界で確固たる地位を得ているイ・ガンヒ。巨大権力を自在に操る彼の下で働き、あらゆる悪事に身を染めていたアン・サングはある日裏金を送っていたファイルを偶然入手する。これがあれば成り上がれると思いたち、政治家を脅しにかかりますが、ガンヒに裏を掻かれて逆に自らの地位を失墜してしまう。

一方その頃、上昇志向がありながらも上へと行けずにいた検事のウ・ジャンフンは、サングも関わった裏金事件について捜査をしており、肝心のファイルをサングが横取りしてしまったことから、捜査責任を全て押し付けられて左遷されてしまう。自分はこんなところで終われないとして、やがてサングと共に共謀する。サングはサングで自身を貶めたガンヒを始めとした権力者たちに復讐をするため、ジャンフンとともに巨大な裏世界と戦っていくのだった。

全員悪党、待ったなし

社会派サスペンスとして公開された今作、その内容は最初から最初までトップスピードのまま展開していく。言うなれば今作の特徴は、全員悪党で、それぞれが抱く正義の下で暗躍するといったところか。騙し騙され、目には目を歯には歯を、そして暴力には暴力と、あらゆる悪事が劇中で表現されているのが見どころだ。

あの策略がどう機能し、どのようにして貶められていくのか、そういった内容が所狭しと繰り広げられているので行き着く暇などなく、見過ごしてはいけないという強迫観念に狩られるほどだ。一言で言えば、まさにサスペンスの真骨頂と言えるでしょう。それこそリアルな政治社会におけるあるだろうと言われる裏側ですから、こうした映画が人気を博さないわけがない。韓国で歴代最高の観客動員数になったというのも納得できる作品だ。

イ・ビョンホンの演技

そんなインサイダーズで魅せられるイ・ビョンホンの演技はまさに悪党そのもの。これがあれば成り上がれると思ったが、周囲の裏切りにあって貶められてしまい、片腕を失うほど追い詰められる。しかしこれまでの悪事に身を黒く染めてきただけあって、このまま黙って終わらせないとする悪党の真髄が垣間見えます。

出演している俳優陣全てが危機死に勝る演技力で物語を盛り上げていますが、格別イ・ビョンホンの演技には魅了されていい。既にハリウッドで活躍を開始し、元々高く評価されていた演技力を遺憾なく発揮している自信作だ。間違いなく今後の彼を代表作として名高くなるはずの同作、韓国に対して一抹の思いがある人も一度見てみるといい。まさに痛快な、ダークストーリーが楽しめる映画となっている。なにげにコアな映画ファンですら唸らせる、久々に面白い作品に出会ったとまで言われるほどだ。見て損をすることがないのは、間違いでしょう。

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